2010年05月10日
思考の整理学とEvernoteそしてUI
少し前になりますが、先輩から忘却の整理学を紹介いただいたので、本屋に行きましたら、左記が並んでおりましてパラパラめくると内容が被ってたのが多数あったので、文庫本のコチラを購入した次第です。
いやぁ、著者が30年前以上前から既に情報同士のハイパーリンクの概念やタグ付けの概念をアナログのノートという形で実現していらっしゃった事に驚きました。(この本の初版は1985年)
今では情報整理の分野ではiPhoneの『Evernote』などが流行っていますが、情報整理の概念は既にこの時代からある程度確立していたんですね。
情報の整理というのは、デザイナーの大きな仕事のひとつでありますが、その個々の媒体(メディアという意味を広く超えて)に応じて判りやすく、情報同士を的確に表現&配置するのが腕の見せ所だったりする訳です。見た目の装飾が上手いか?ではありません。
現在では個々の情報は一つの関係性で終わっている事は稀でありまして、一つの情報や事柄が複数の原因からなっており、またその情報や事柄が複数の結果を生んでいます。原因と結果の先でまた繋がっている事もあります。要はグチャグチャな訳です。その関係性を平面で落とそう(表現しよう)とすると、どうしても無理がある訳でして、以下の様になったりします。
[敵はパワーポイントにあり ? パワーポイントの弊害、米軍大将らが指摘]
こんな画像みても、何がなんだか判りませんよね?
http://msnbcmedia.msn.com/i/MSNBC/Components/Photo/2009/December/091202/091203-engel-big-9a.jpg
さて最近はマインドマップやら、マンダラートやら流行っておりますが、これらは全て、階層としてテーマや物事を分類する、あるいは展開するには向いている思考法ではありますが、関係性を見出す事導き出す事には元来向いておりません。その辺をキチンと理解せずに闇雲に上記フォーマットで書きまくってる方をみると、もったいないな~。と感じたりするのです。しかもその書き出しだけで安心してしまって、先に進まない事が多い様に見受けられます。分類・展開も勿論大切なのですが、そこから関係性を導き出し⇒「自分なりの結論を出すこと」が一番大事なのでは無いでしょうか?
そういった意味で、思考法(最近はビジネスフレームワークという意味で使われている場合もありますね)やマーケティングに騙されずに、キチンと思考法自体を自分の中で整理する事も大事ではないか?と思うわけです。
特に最近の新・・・(←やっぱりヤメた。どう教えるか?を、考えるべきだ)
なお、関係性の表現においてはコンピューターの出現によるコンピューター時代らしい表現方法も模索されており、以下の様な関係性の表現も可能な様になっております。
[ImageCruiser]
http://imagecruiser.jp/about/
http://imagecruiser.jp/light/demo.html
[mixiGraph]
http://www.fmp.jp/~sugimoto/mixiGraph/
【追記12May2010】
書いた翌日ですが、この様な飛行運行情報の表現にも出会いました。
リアルタイム3D航空交通情報マップがなかなかおもしろい
別に3Dをヤレと言ってるわけではありません。
【追記終わり】
いづれもこの表現模索は幅広い意味での“UI”ユーザインターフェース 【user interface】デザインとなりますが、私への自戒も含めてWEBデザイナーもこのジャンルへのチャレンジをもっともっとして欲しいと思います。特に近年、検索結果に主軸においたテキスト主体の表現が持て囃されて、こういったジャンルは「結局金を産まないから」という金銭的理由で、あまり若手が目指さないジャンルになってきています。(GoogleやMicroSoftなどで今の単純テキスト検索でない、関係性などの新しい検索方法が出てくるれば、状況も変わるのかもしれませんが、その時から始めても遅いと思います)
そういった意味で、上記の『思考の整理学 (ちくま文庫)』は今では考えられる手法であるとはいえ、当時の事を考えるとあらためて凄いなぁと感じた次第です。
2007年11月23日
見た目重視主義⇒KY主義へ[補足]
先日の『デブ⇒世界征服⇒KY主義』において、特に“見た目(重視)主義⇒KY主義”が、イマイチよく解からないとの指摘を受けました。まぁたぶんそういう反応があるのは予定してましたので、今日はこの事について述べたいと思います。
(KY主義=空気読め主義の事。同調圧力も同じ。さらには全体主義に繋がる過程かも?)
話は前回に戻りますが、岡田斗司夫氏によると、“見た目(重視)主義=私の主観第一主義”は、社会成熟の過程だそうで、確かに過去の歴史から見ても、戦乱期から平和な時代、もしくは、領土発展期から安定期になると、どの国でも支配層の貴族化→その後大衆化が進んで、見た目を重視した文化が熟成され、社会が成熟していくのだそうです。確かに洋の東西を問わず、その様です。
わが国においても、平安期、江戸期の中盤以降は美についての関心が非常に高まって、文学等においても美意識を強調した作品や系譜が発展している事からも明らかでしょう。
では、その後どうしてKY主義になるのか?
私もこの、何故に“見た目(重視)主義⇒KY主義”なるのか?ずっと頭の中で私なりに理由を探し続けていたのですが、先日「黒田六端城からみた黒田藩の筑前国経営」という九大先生の講演を聴きに行って、全く違う分野からその謎が解けました・・・
私の事務所の目の前にある福岡城の主である黒田氏は、ご存知の通り主に織田→豊臣期の名軍師「黒田如水」の活躍から躍進する名門一族ですが、その黒田氏が筑前の地に転封してきて、細川領との境界沿いに、御家興起の過程で歴戦の専攻を誇った黒田八虎の内、年寄四人衆(井上之房、母里太兵衛、後藤又兵衛、栗山四郎右衛門)を配置するのですが、彼等はその配置された地域の軍事権以外に行政権をも付されたにも関わらず、黒田家2代藩主・忠之(←この方ホントバカ殿)の代の内に全て没落してしまったそうです。没落の理由は家臣それぞれ異なるのでしょうが、実際は武功を楯にズケズケとモノを言う家老達が忠之からすると、疎ましかったから。との事です。特に黒田家は隣国細川家との仲が悪かった為に、その国境の最前線に居た年寄四人衆の血気盛んさが、藩の危機管理上、怖かったのでしょう。
要は組織や社会の成長過程が、発展期から安定期、さらには衰退期に向かうにあたり、おそらく平和な時代、平和な社会が続く事によって、その平和や安定を乱す言動や人物がヤミ嫌われる様になり始めるからなのでしょう。
冒頭の岡田氏の説明では不十分なところがありますが、“見た目(重視)主義⇒KY主義”を上記の黒田家の歴史に重ね合わせると、
見た目(重視)主義の時代
筑前国に加増転封され、六端城の築城や改築による筑前国支配のテコ入れ時期(→城は武家による地域支配の象徴です)
KY主義の時代
幕府の安定化政策が進み、国境紛争等できなくなった→幕府による大名監視が強まった時期
と符合します。
現在の日本が“見た目(重視)主義⇒KY主義”になってきている事も、バブルを頂点として、国内の社会が成長期から安定期(衰退期)に入っている事は国民全員が知っている事であり、この社会の安定的なシステムを壊す様な行動を皆が慎まなければと思い始めてる証しなのではないでしょうか?
発展期(戦乱期)には多少の過激な言動や欠点も、結果が出ている限りは大目に見れる余地があり(というより各個人が各ジャンルの開拓に忙しくて、他人をとやかく言ってる暇が無い)長所加点主義なのですが、安定期(平和期)から衰退期になると、組織内のシステムが安定してきて生産性も上がり(他のジ方向性にチャレンジするインセンティブも働かない)、結果、時間的余裕も出てきて欠点減点主義に陥っているのでしょう。
最後に、
KY主義の社会において、どんな人物が評価されるのでしょうか?
ネット放送による宮台氏との対談中(*注→有料です)岡田斗司夫によると、これからはその場その場の雰囲気に合わせる能力に長けた人物でないと、評価されないそうです。そういう意味で、先日の女子高生ブログタイトルの
「幸せな時間の共有だけでいい」
というのは、まさに“私の主観第一主義⇒KY主義”への過程を表していると思うのです。他人との関係は、そのコミュニティにおいて自分が幸せと思う時間だけを共有し、また別のコミュニティでも同じく、自分が幸せと思う時間だけを共有し、そういう関係性を紡いでいく。そんな他人とのあり方がこれからの生き方なのかもしれません。ただ僕は、そういう生き方が間違っているとか、間違った社会だとか、とは、まっく思っていません。
そんな幸せな時間、社会、組織を壊すような人物・言動は嫌われていく・・・
高校生の彼女達は、そんな社会の雰囲気をなんとなくでしょうが、肌身で感じているのかも知れません。
ただ唯一怖いのは、そういう先の全体主義が支配者なき社会においても発生する事であり、またそういった社会は歴史上衰退していっているって事です。
空気読め主義は、我が国が島国だからであるとか、鎖国主義が長く続いたからだとか、そういう論もありますが、確かにそれらはKY主義を強める環境要因としては大きいモノだと思いますが、根本はやはり成長過程に拠るものだと僕は思うのです。
※あ~文章長すぎ。付き合っていただいた方、有難うございます。
でも自分の中では今はスッキリしてます(笑)
2007年11月04日
こんなの売ってた・・・
私はこのブログにおいて書評をする際、本の装丁(ビジュアル)を表現するのに、アマゾンのアフィリエイトの表示をやってますが、らばQにアマゾンの面白いモノが販売されてるとの記事を読みまして、確認してみました。
左記のリンク先に表示の通りです。
英語に詳しくなくても解かるでしょう?
私はウォーリーは途中で諦めていましたが、こっちは根気も少しは続くかな?(笑)
日本国内だと、不謹慎というレッテル貼られて、出版企画すらできないでしょうが・・・
2007年09月14日
カーチャウ!!(ネタバレあり)
夏休みのあいだに、甥っ子達のチビ二人が実家にやってきて、それは親父もおふくろも喜んで実家は毎日賑やかでありました。今は朝晩の気温も涼しくなり、元の静けさに戻ってはおりますが・・・
そんな賑やかな中、3歳になる下の子が、やたら「か~じゅ!」「まっくい~ん!」と言っていたので、おじさんである私もつい財布が緩みまして、DVDを実家に買って帰ったのでありました。すると・・・下の子は必ずテレビの前で毎朝「か~じゅ!」って微笑みながらねだる始末で、予想はしていたものの、「あちゃ~・・・(苦笑)」
最初は適当にDVD掛けてあげてただけなんですけど・・・
そのうち私の両親(彼等からすると祖父祖父母ですね)等と水族館に出かけ、私ひとり実家の留守番をするハメになりまして、暇だったものですから何気なしに独りでこの『カーズ』を観てみました。
さすがディズニーですね。
キチンと主題(ディズニーのテーマは普遍性のあるものばかりですから)を押さえてあって、別にキャラクターがCGの車達でなくとも、ストーリーがハッキリしていて、人物キャラによる実写でも十分楽しめる、ロードムービーの様に話が出来ています。
以下、内容のネタバレになるのですが・・・、
ストーリーは米国のルート66(半世紀前に活躍した大陸横断国道)が州間高速の建設により廃れて行き、その寂びれた街に迷い込んだ現代人の象徴である主人公のマックイーンが、その街の人々や風景との触れ合いを通して、今までの「勝負に勝つ!という価値観」以外の価値観をそこで見つけ出す。って内容です。
観ていて、街の寂びれ具合といい、住民の人の良さとイイ、その上で「どうしたら流れの変わった現代を上手に生きていくか?」が解からずに途方にくれている様とイイ、今の日本の過疎地域と同じ様な風景を舞台に映画は展開して行きます。要は時代の変化に付いて行く事が難しく、優しくとも不器用な人々が街の人々として描かれているのです。映画では結局のところ、マックイーンが全国レースで優勝して拠点をその街に置く事により街が活気を取り戻す事でエンドになるので、過疎問題の解決策としては参考にはならないのかもしれませんが、米国には州間高速が出来る事により、困った方が知恵を出して、その後世界のビジネスモデルに新境地を開いた方がちゃんといらっしゃいます。
高速建設により苦境。65歳という年齢ながらも知恵を捻出した、誰もが彼の体型まで知ってる米国人
ふと、上記エピソードを思い出しました。
いつの時代、どこの土地にでも、似た環境やエピソードはあるものです。
今話題の地方格差の問題も、結局は時代の変化に対応できずに戸惑ってる方々への配慮の問題だと思うんです。この映画はそんな優しさと、地方にも存在する別機軸の価値観も発見してみよう!とも言ってる様です。(おまけとして、上記DVDには作者のこの企画に至った訳も収録されています)
今も静岡の自宅でしょっちゅうこのDVDみてるT君。君が大きくなって、この映画みたいに時代について行けないの人々に君が出会ったとしても、主人公マックイーンの様な優しい気持ちで、彼等への配慮を忘れないでね。。。。
映画としては上記に書いてますが、ディズニー映画なので、安心して楽しめます。F1のシューマッハが声優としてもちょっとだけ出てます。ご家族と一緒に、気楽にどうぞ。
※このエントリタイトル『カーチャウ!!』はカーズの主人公マックイーンの"キメゼリフ”。
ルート66沿いには、映画バクダッドカフェに出てくるカフェが今でも実存しているしく、私も是非一度、米国の田舎ドライブをしてみたくなりました。
【参考リンク】
KFC カーネル物語
ルート66 wikipedia
2007年08月21日
グローカリゼーション
梅雨の時期に読んだ本の中から・・・
私等の様に地方に住んでる方にはこれからの生き方を示唆する非常に重要で、的確な言葉であり、私これからBlogを書いていく上で、この言葉の意図するところがベースにあるネタが多いと思われるので、記述しておきます。
『グローカリゼーション』で検索すると、グローバル社会における逆説的な現象で、グローバル化によって言語や文化のローカル化という意味で記載されているみたいですが、私が示すところの『グローカリゼーション』は、作家の童門冬二さんが仰るところの、大分県元知事平松氏が唱えられてた『グローカリゼーション』です。
『グローカリゼーション』(英語版Wikipedia)←こちらではない
作家・童門冬二氏に聞く 戦国武将に学ぶリーダーシップ
最後に近い下部の方に言葉が出てます。
童門さんがおっしゃる『グローカリゼーション』とは、
「グローバルな視点を持ち、常にナショナルな問題意識を持って、地方に生きる!」という事です。
これほどこれからの地方の積極的生き方を的確に示した言葉があるでしょうか!
「地方格差だ!」と嘆く方々、苦しいなら苦しいなりに、もっと皆で知恵を出しましょうよ!
『金が無いなら知恵を出せ!』
既に江戸の頃からグローカリゼーションを実践していた事例が上記の本には結構載ってます。江戸時代に既にフィリピンに渡って商売してた地方商人の話も載ってます。
道州制などと言ってますが、変化を好まない日本において、100年続いた中央官僚集権体制を変えるのは至難の業です。社会体制そのものを大改革しなければなりませんから。そんな悠長な事に付き合ってないで、「地方の個人/組織はその個人/組織なりに、さっさと行動し、国家の枠を超えろ!」と訴えかけてくる言葉である気がします。
ちなみに、上記の新書本そのものは、気軽に読める内容ですが、雑誌か何かの連載モノを集めたのか?結構同じセンテンスが使われてて、少しうんざりする部分もあります(笑)
2007年01月05日
フラット化する世界(下)とアルビン・トフラー
あけましておめでとうございます。
忙しさにかまけて1ヵ月、すっかり更新が遅れました。
さてさて、前回の『フラット化する世界』の下巻についてですが、10月に読了していた本なので、あらためて読み直してみました。この下巻では上巻で述べられているグローバル化の中、いかにこの新しい世界を生き抜いていくか?その方向性について、幾つかの分野を挙げて、述べてあります。特に増補版では先進国での静かに崩壊している「教育」について詳しく述べてあります。
あと、見逃せないのが「フラットでない世界」についての章です。
要はフラット化に乗り遅れたアラブとアフリカ諸国についての章なのですが、ビックリしたのが国際特許の数。1980-1999年の20年間に取得された国際特許の数がアラブ諸国全てをあせても、たったの171件。同時期にお隣韓国は16,328件。インターネットにアクセス出来るのも、アラブ世界人口のたった1.6%です。これじゃぁ、疎外感も出てくるわけです。筆者は明らかに「宗教」と「資源」がグローバル化を阻害していると、書いています。
上記のアラブの事について、ほぼ同じ事をお正月期間中のNHK-BSの番組で述べていた方がいました。「第三の波」で有名な未来学者アルビン・トフラーです。彼も同じ内容のコメントを仰ってました。また彼はアラブ含めた全世界の事柄について「現在の世界は時間と空間の概念が変革しており、特にこの変革のスピードが著しく速い事が今までの変革期と異なる」とも仰ってました。
思わず昨年のベストセラーの一つ『富の未来』を書店で買った、お正月でした。
2006年11月30日
フラット化する世界(上)
今年一番ガツンときた読み応えのあった本。
文量もかなり多いですが、グローバル化する世界事情について広く取材され、下巻では上巻で述べたフラット化した世界(ベルリンの壁崩壊後に社会主義国の労働人口が一気に自由主義陣営に流れ込んできた現在の世界経済状況)にこれから我々(主に読者を米国読者と想定しての)はどうすべきか?を述べてあり、現在書店に並んでいる分は増強版として、特に教育についての記述が増えています。
色々と納得させられる文章が多いのですが、中でも今の我々(自由主義経済陣営にいたミドルクラス)が世界的に苦しんでいる様(さま)を的確に捕らえているのが、以下のインテル会長“クレイグ・バレット”氏の言葉・・・
『(社会主義国の壁が崩壊し)30億人もが一夜にして世界経済に参画して、重大な影響が及ばないわけがない。しかも、流れてきたのは〔インド・中国・ロシアの様に〕古来から教育文化の豊かな三つの社会の人々なのだ』
アジアの隣国や海の向こうの国を気にするよりも、その奥に蠢く世界の見えない30億のライバルをイメージし、日々修養すべきだと、深く意識した次第・・・「Web進化論」を事前に読んでおくと、主に上巻にあるテクノロジーがもたらす事例の話もすぅ~っと理解できると思います。
2006年10月23日
遺品整理屋は見た!
タイトルのインパクトと、自分の温めている社会事業プラン(ビジネスではないです)に関連するのでは?と購入。「実際こういう人達がいるから、社会は廻っている」と、実感できる本。下手な小説より(失礼かもしれませんが)面白いです。泣けました。
知らなかったのですが、こちらのブログが基になってるみたいですね。
現実ブログ!!「現実にある出来事の紹介」こういう日々の会社業務をブログで展開する事は、WEB屋の私としても、ネットで企業PRを行いたい会社には、絶好の好事例で、顧客に是非薦めたい展開なんですが、それよりなにより、この社長の語りに、社長のあらゆる人への優しさが感じられて、つい「遺品整理の時にはキーパーズ」って感じてしまいます。
文中に書いてある様に、これから高齢化社会を迎え、私たち個人個人も真剣に他者とのコミュニケーションを考えなければ・・・『決して他人事ではないぞ!』と思った次第。
※温めている社会事業プランに、直接には関係ありませんでしたが、基にある想いは同じだなぁ~と感じた次第。
この本の背景にある孤独死の問題は、急速に拡大した核家族化と、人口の流動性、それに伴う地域コミュニティの崩壊であるのは明らかであり、グローバル化が個人単位に押し及んだ結果である。
グローバル化に伴う負の面は色んな事象が言われているが、個々人のレベルまで落とし込まれるとこういう結果なのかもしれない。実際その当事者となると、感情が先に走ってしまって(知人の死を目の前にすれば当たり前である)社会の流れと個人の関係を思考することがストップしてしまう事こそ怖い事ではないだろうか?
2006年09月27日
マインドハック
最近もっぱら仕事がらみの書籍か、人に言えないプライベートな内容の本しか購入していなかったので、気分転換も兼ねて、いつもの本屋も生物学のコーナーに。
すると「オライリー」に似た装丁の本が・・・(「オライリー」はIT関係では有名な出版社です。ちなみに『WEB2.0』の提唱者はこの「オライリー」の創始者)ホントに「オライリー」の『Huck』シリーズだった。
その名も『Mind Hacks』
書評等見ずに早速衝動購入。内容は僕が大学時代に学んだ様なヒューマンマシンインターフェイスの概論にあたる脳に関する科学を、誰もが出来る簡単な実験も交えて面白く書いてあります。
(しかしあらためてAmazon見ると、アマゾンレビューは全て5つ星です・・・お~やはり!)
中に出てくる内容は、その昔僕が大学で学んだ項目も多かったのですが、初心忘るるべからずで、再びこういう本で見返すと恩師の授業も結構面白い授業だったな・・・と、あらためて再認識した次第です。
ネタ的には以前のエントリ「ホロフォニクスとリアリティ」にも関連してくる部分もあるので、知的好奇心をかき立ててくれて、楽しく読んでます。
以下にサンプルが見れますので、興味のある方は是非どうぞ。
http://www.oreilly.co.jp/editors/archives/000073.html
2006年05月29日
最近読んだ書籍[備考録]
最近(この春)読んだ本を駆け足で。
業務関係の本や、深くコメントしずらい本も(←なんでだよ!)あるんで、ざざっと一気に。
※アマゾンのリンク張ってますが、アソシエイトで稼ぐつもりはありませんので、あくまでも参考リンクという事で・・・
【交渉術】
『なぜ、占い師は信用されるのか?』
これから、始まってこの作者の本、色々読んだ。
『一瞬で信じこませる話術コールドリーディング』
こっちの方が最初の本だけあって、まとまっていた。上記なぜ、占い師は信用されるのか?はこの本の内容と殆ど被っている。
『相手の潜在意識から説き伏せる! ビジネス・コールドリーディング』
最新版だが、上二つをややビジネス向けに書き直したにすぎない。個人的にこれら“井上”氏のエッセンスを対人コミュニケーションの手段として活かすなら『一瞬で信じこませる話術コールドリーディング』と、この『相手の潜在意識から説き伏せる! ビジネス・コールドリーディング』だけで十分。髪分けがどちら側かにあるのか?と、バックを持っている側の関連性は街歩く人を見れば、納得。あまりの関連性にビックリした。
次、
『日本がアルゼンチンタンゴを踊る日』
この光文社ペーパーブックスは、結構刺激的な内容のタイトルが多い。前も「起業バカ」を読んだりして、結構参考になってましたが、ふつう誰もがはばかって言わない裏の面をよく書いてある。真実性の問題は別としても・・・ただこのベンジャミンさん、海外資本側の論理だけで話を展開していて、その辺を割り引いて読む必要が・・・
【小説】
今年芥川賞受賞のこの本
『沖で待つ』
この絲山さん、INAX出身なんだよね・・・僕が業界で被った時期は無いけど、結構有名(デカさも含め)だったらしい。
絲山さんのプロフィール→
これ、たぶん普通の人だったら、「は?なんでこれ芥川賞?」みたいな内容だと思う。僕もそう思う。ただ今回、自分の場合、昔いた同じ業界の話でディティールが良く解ってるし、また初めて地方勤務になった地でとても世話になった心を許せる先輩の死という全く同じ境遇があったので、その先輩を思い出し、またもや電車の中で恥ずかしながら涙した。
「今坂さん頑張ってるよ。俺も!」
この本を知った理由も結構運命的だったが、仕事の絡みもあり、この場じゃ言えない(笑)
【新書】
『国家の品格』
ベストセラーになっている理由が分からない。こんな文章でベストセラーだなんて・・・これ読むぐらいだったら、『日本文化論の系譜』や、古いけど、内村鑑三の『代表的日本人
』の方がずっと為になる気がする・・・
【業務関係】
『Life Hacks』
素直に役立った。先日の『Web進化論』とも関連した話題。Web進化論
を具体的に自分の仕事術に使うとどうなるか?を分り易く、ネット界の有名人らが提案している。僕はこれで、早速CheckPadを使い始めた。もう一ヵ月になるが、携帯と連動させると、非常に仕事がラクになった。要はToDoリストをWeb進化論
で言うところの、『あちら側』におくと、こうなる!という事である。
『ケータイサイト実践運用ガイドブック』
現在、とある企業のケータイサイトやる為。イロイロ振り回されたり、納期が超短期だったりで大変だけれども、やり甲斐ある仕事で、今後のうちの展開を考えた上では、非常に重要な案件になりそう・・・
その他IT系マニュアル本2冊・・・省略
2006年05月02日
ウェブ進化論 [書評] 2
先週末、幼なじみとその友人らと、男ばかりのワイン中心食事会に誘われた(自分はワインの事は全然わかりませんで、単なる飲み会の延長ぐらいにしか思っていなかった)
その食事会に参加していた司法関係の方が直前に読まれたらしく、先日書いた「ウェブ進化論」の話で盛り上がり、いろんな意見を交わすことができた。
途中、話題が都市と地方の格差の話にもなり、『ウェブ進化論』的には「究極的には都市地方格差はなくなる!」だの、「いや、なくならない!もっと酷くなる」だの、色々口泡飛ばして話してたんですが、我々IT関連と同じく、司法関係や不動産関係でも、「人的サービスの単価相場の開きが東京と福岡では1.5~1.7倍ある」という事が判り、意外。業界関係ないんだなぁ。と、しみじみ思う。
また地方は、その人的サービスの価値を正当に評価してくれる人物が少ないが、しかしネット上ではそんな価値を評価してくれやすい環境がある。よって今は物理的なデジタルデバイドに拠る事よりも、人間の意識によるデジタルデバイドによって、個人差が付きやすい世界になっている・・・ってな話を延々楽しくやってました。
そうなんだよなぁ。リアルでの地方はソフト(人的資源や一人一人の文化意識)の差が都市以上に激しいんだよな~。上記ウェブ進化論も、福岡中心部の大きな書店では大きなスペースを割いて積極的に販売しているけど、自分の実家(福岡の田舎)近辺の書店なんか、普通の平積みぐらいしかしてない・・・
そもそも全国ランキングに乗ってても、地方じゃ売れないからでしょうか・・・
2006年04月26日
ウェブ進化論[書評] 1
1-3月期は忙しさにかまけてましたが、遅まきながら、ようやく読みました。個人的に久々のヒット!
ここ数年現場サイドで常に“Web2.0的制作”を心がけながら、仕事を進めてきた(制作の過程で道半ばに終わった案件も数多いが)つもりだけれども、現場で行ってる実作業の行き着く先、つまりこれからのネットの予想図(5~10年後)を的確に述べてあり、今まで自分でも、もやもやとしていた未来図がまさに「こういう社会展望なんですよ!」と言い当ててくれてます。
仕事がらみの本としては久々良かったので、周りの人間にも数冊配りました。
本に触発されて、以前から言っていたアマゾンのアソシエイトも登録してみました。元々本の表紙を掲載するのに、著作権がらみで躊躇していた事もあったんですが、これで解決し、すっきりしました。ですから上記リンクから無理に買っていただく必要は全くないです。あくまでも表紙を合法的に表示したいのと、ECSを実験的に使ってみたいだけですから・・・
2005年10月16日
働くということ-グローバル化と労働の新しい意味[書評]
あっと言う間に一ヶ月が過ぎた。この一ヶ月の間は主にプライベートではいろんな事があったが、前回の続きで、ロナルド・ドーアの「働くということ-グローバル化と労働の新しい意味」の再読について書きたい。
実は一ヶ月前の衆院選直後にジェラルド・カーティス・コロンビア大学教授が、「小泉首相は英国のトニー・ブレア労働党首相によく似ていて、自分の出身母体を(ある意味)破壊しながら、出身母体と対峙する米国的政治価値観の導入を押し進めて、国民の支持を得るという、政治手法をとっている。」とまぁ、大体その様な事を言っていた。そこでピンと来たのがロナルド・ドーアの「働くということ」の中に出てくる『マラソン的歴史観』の事である。
『マラソン的歴史観』については、Google検索『マラソン的歴史観』の結果だけ示しておきます。(トラバやリンクを貼って要らぬ誤解を生みたくないので)と、まぁドーア先生も言ってる訳ですが、もう少し多様性があってもいいのでは?という意見には僕も賛成です。でも政治手法についてもやっぱり似るんでしょうか??
今回あらためて読み直すと、現代資本主義(特に近年の新古典派経済学)に対して疑問をもっている方々に支持されやすい本だな。と思った次第。
投稿者 kackky : 17:17
2005年07月25日
働くということ[書評]
韓非子を読む間に、これも読んでました。さすがILO(国際労働機関)推薦の本です。イデオロギー等に左右されず、比較的客観的に今の日本で起こっている労働環境(個人能力市場主義とグローバル化等)について、書いてあります。
この本の中で面白かったのが、個人の賃金が二極化する理由という部分。非常に面白かったです。他の理由も書かれてあるのですが、面白かった論の一つを紹介します。話を簡略化する為に10人しかいない社会を考えてみてください。一番の高所得者をAさんとして、次に賃金の高い方をBさんとして、10人を賃金の高い順にA→B→C→D→E→F→G→H→I→Jとします。当初はABCの賃金格差はそれほどなかった。(当たり前ですよね。少人数であまりにも賃金差が起こると、組織がすぐ崩壊しますから。Aさんの個人の能力に頼る部分が大きければ別ですが、通常それほど差はありません)ところが、Bさん、Cさんもそれなりに中核メンバーとして活動し始めます。そのうちBさんCさんは、社会の重要決定業務をやっているのだから(ある意味大きな勘違い)と、彼らの賃金をAさんに近づけます。組織の生み出す総生産はそんなに変わらない訳ですから、当然Dさん以降の7人から巧妙に利潤を吸い上げざるを得ません。こうしてCさんとDさんの間には大きな所得差が発生するという訳です。しかもBさんCさんからすると、DさんがCさんとの溝をハッキリと認識して、やる気をなくす事は大歓迎な訳です(自分たちの既得権益を守るため)。こうして2極化が大きく進むと。しかもDさん以下残りの7人の上方へ駆け上がる階段も塞がれてしまい・・・これ、実は韓非子にも同じ様な話がありまして、「重臣(君主の取り巻き)に報と徳を与えると、国を滅ぼす」と。韓非子の場合、組織の重臣には気をつけろ。との事なんですが、社会構成と組織防衛ってなんだか似ている気がして。
二極化、二極化とよく言われますが、その発生メカニズムってあまり聞いてなかったので、新鮮でした。
投稿者 kackky : 16:52
2005年07月18日
韓非子[書評]いよいよ
さてさて、ちょっと間が空きましたが、韓非子のつづきです。地元九大の先生が書かれた中公文庫の上下刊からなる訳本を購入しました。書き下し文と訳のみという、シンプルな構成なのですが、が、各編の背景をきちんと知っていないと、ムムズカしいい!!
そもそも、全55編からなる「韓非子」ですが、本人が全ての編を書いたものでない為、編毎に結構意味合いが異なっていて、書かれた時代背景等の把握が不十分だった為、ワケ分んない状態になりました。
前々回に紹介した、角川のビギナークラシックスを再度購入(実はS大生らと飲んだ際に、イイ気分になってあげてしまった・・・)して、じっくりと参照しながら進めて行きたいと思います。
投稿者 kackky : 11:48
2005年07月11日
最近の詐欺を韓非子で斬る!
さて、前回申し上げたとおり、韓非子ネタで。
韓非子の属する法家は、中国諸子百家のうちでも、後発に当たるわけだが、後発な分だけ理論が洗練されており、この辺はイスラム教が以前から存在する宗教(ユダヤ教、キリスト教その他)の矛盾や弱点をことごとく潰して新興してきた事とも似ている。
韓非子いわく、その時代時代で規範とすべき道徳やモラルは異なるという。(この論で言うと、この韓非子を現在に当てはめようとする私自身も韓非子の考えに反しますが、ここではあえておいといて・・・)この韓非子の時代でさえ、犯罪が以前より多発し、荒廃した社会だったらしいのだが、その際に儒家(儒教)の思想を復古させるやり方は古いとし、それはなぜか?「社会が荒廃するのは、人口が多いから」昔ののどかな社会の時代には、人々は生きるため食べるのに食物には困らなかった。人口が少なかったからである。だから他人の食べ物を盗ったり、争ったりする必要も無かった。と。別に儒家の思想が社会隅々にまで達していたわけでは無いのだと。需要(人)と供給(食べ物)で言えば、バランスが取れていたと。
しかし韓非子の時代、すでに人口過多で人は争って食べ物を取得するようになったと。要は需要と供給で需要が多くなった訳ですね。その結果、競争社会(サバイバル)となり、人は争い、社会は荒れる様になったのだと。君主はそういう事態になる前に、適正に供給(食べ物)を分配しなければならないと。
これを現代に当てはめてみます。
最近、オレオレ詐欺や振り込め詐欺、リフォーム詐欺等、高齢者を狙った詐欺が多発しています。そうでなくとも社会のモラル低下が叫ばれて久しいです。これらの詐欺やモラル低下に対してのマスコミ等の意見は「昔はそういう高齢者を狙い撃ちした犯罪などなかった。今の若者にはモラルがないが、引っ掛からない様に気をつけましょう!」という論調である。しかし、考えて欲しい。昔の老人はそんなにお金を持っていただろうか?単純にみな貧乏だったから、誰も騙そうなどと考えなかった。現在の日本は高齢者に富が異常に集まっている状態なのだ。しかもオレオレ詐欺や振り込め詐欺、リフォーム詐欺を行う現場の若者は、日々生きるのにいっぱいいっぱいな連中ばかりだ。(中にはそうでもない若者もいるかもしれないが)
単純に富の分配が歪んでいるからなのだと思う。世間一般的に成功した後に富を蓄えた高齢者なら、常日頃財産を狙われているだろうから、そういう詐欺にも対応できるだろうが・・・
これらの詐欺をなくすには、現在の富の分配方法を根本的に変えないと、根絶はできないと思う。
投稿者 kackky : 01:00
2005年07月05日
韓非子―中国の古典[書評]
今回はこれ、「韓非子―中国の古典 角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス」を読みました。
中国の古典。しかも“法家”と言うことで、小難しいかな?と思ってましたが、ビギナーズ向けだけあって、読みやすくなってます。ほとんど和訳部分のみしか読んでませんでしたけど・・・・
韓非子って結構現代の世相にあってますね。実利主義という事も、現代の実力主義の考え方と根本部分が似通ってますし・・・(著者が韓非子のそういう部分を意図して選んでいるのかもしれませんが)
今年前半のうちに読んだ書籍の中でも評価高いです。紀元前にこれを残した韓非子の人間の洞察は凄いと思う。韓非子もう少し読み深めてみたいと思います。
これから数回、この韓非子の法家の考え方を元にネタを書いてみたいと思います。
投稿者 kackky : 21:43
2005年06月13日
黒いスイス[書評]
この新書、冒頭からかなりショッキングな内容が羅列される。
ラマの子供誘拐、ユダヤ人迫害の歴史、監視社会、麻薬、マネーロンダリング等々、日本人の抱くスイスのイメージを大きく覆すものばかりだ。
確かに、伝えられていないその国の暗部を描く事は大切だろう。この著者が新聞記者であることもあり、きちんと裏を取った取材記事であり、信頼もおける。
しかし、筆者は国家ぐるみでこういった行為に至る背景に迫っていない。そこまで踏み込んで欲しかった。答えが自明なだけに、あえて触れていないのかもしれない。理由は簡単だ。
1、中小国(ここではあえてそう呼ぶ)でありながら、
2、民族自決を保つ為に
3、永世中立を保ちながら
4、領土保持
という課題を同時に達成しなければならないのであるならば、これらの犯罪的な行為を他国から指摘されても、改善する余裕なぞなく、これらの行為がスイスという社会を成り立たせる(少なくともそう信じていた)基盤の一つになっていたと言う事だろう。
中小国であるならば、有史以来どの地域おいても同じ事が起きていただろう。常に大国に挟まれた小国ゆえの悲哀である。
翻って九州では昔からよく、「九州独立論」なんて話が話題になったりするが、現実問題として、この様な問題が起こりえる事を知った上で論じている人が、何人いるだろうか?
今回のこの本、星評価でいうと、
★★☆☆☆
でした。ヨーロッパを旅したりする人にはイイかもしれません。
投稿者 kackky : 22:25